2013年12月24日火曜日

続:イブの夜はIaaSをCommon Lispでキめる!


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2つのアドベントカレンダーの合同ネタです。

OpenStack Advent Calendar 2013 JP
Wakame Users Group Advent Calendar 2013

Common Lispの基礎に関しては2012年の OpenStack Advent Calendar 2012 JP 12/24 イヴの夜はOpenStackをCommon Lispでキメる!をご覧ください。

Common Lispを使って、OpenStackとWakame-VDCの操作を行いながら、Lispの世界を見ていきましょう。



2013年12月15日日曜日

世の中の Common Lisp OpenStack Clients を眺めてみる


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タイトルの通りです。気になったので調べて見ます。

github で 「openstack common lisp」で検索してみたところ・・・

2013/12/15


4つのリポジトリが見つかりました。


russell/cl-openstack

 とてもシンプルな実装でnovaに対して最低限の操作が実装されています。マクロを活用して実装されておりLISPっぽいつくりです。行数も少ないので、入門として読むのに適していると思います。


novaを操作するための関数をマクロによって定義しています。
(defmacro nova-call (name args documentation lambda-list &body body)
  (let ((documentation (if (stringp documentation) documentation "")))
    (destructuring-bind (&key url content (method :get)) lambda-list
      `(defun ,name ,args
         ,documentation
         (assert *token*)
         (assert *service-catalog*)
         (let* ((service-url (car (service-catalog-query "compute")))
                (url (merge-uris ,url service-url)))
           (let ((data (restart-case
                           (rpc-call url ,method ,content)
                         (retry ()
                           :report "Retry Openstack Call."
                           (rpc-call url ,method ,content)))))
                 ,@body))))))


stackforge/cl-openstack-client

 こちらも機能としてはシンプルですが、CLOSを活用した実装がなされています。

(defclass resource ()
  ((id :initarg :id
       :reader resource-id)
   (connection :initarg :connection
               :reader resource-connection)
   (attributes :initform (make-hash-table))))

(defmethod resource-error-class ((resource resource))
  'openstack-error)

(defmethod print-object ((resource resource) stream)
  (if (slot-boundp resource 'id)
      (print-unreadable-object (resource stream :type t :identity t)
        (format stream "~A" (resource-id resource)))
      (print-unreadable-object (resource stream :type t :identity t))))

(defmethod decode-resource (resource parent type)
  ;; TODO (RS) currently extra keys are just ignored in all resources,
  ;; it would be best if they were saved somewhere.
  (apply #'make-instance
         type
         :connection (resource-connection parent)
         :parent parent
         (concatenate 'list
                      (alist-plist resource)
                      '(:allow-other-keys t))))

(defmethod decode-resource-list (resources parent type)
  (loop :for resource :in resources
        :collect (decode-resource resource parent type)))

(defgeneric resource-authentication-headers (resource)
  (:documentation "Return a list of the authentication headers that
  should be added to the request."))


AeroNotix/cl-stack

 こちらは先の二つと違い、Novaではなくオブジェクトストアに対する基本的なファイルアップロードを実装しているようです。

(defmethod upload-file ((client openstack-client) (filename string)
                        &key (container "/testainer") (content-type "application/text") headers)
  "Upload file will upload `filename' into the ObjectStore."
  (let* ((url (format nil "~a~a~a/~a"
                      *computeurl*
                      (slot-value client 'tenantid)
                      container
                      (pathname-name filename)))
         (md5-hash (md5-digest-file filename)))
    (base-request url :PUT
                  :content-type content-type
                  :content (pathname filename)
                  :headers (base-headers client headers)
                  :after-request #'(lambda (request)
                                     (let* ((recvdheaders (nth 2 request))
                                            (etag (cdr (assoc :ETAG recvdheaders))))
                                       (string= etag md5-hash))))))

irixjp/cl-openstackclients

 どっかでみたリポジトリですね。全然できていませんXD




この4つを眺めてみましたが、実装としてはどれも実験的、といった印象です。

Lispっぽい使い方をOpenStack上で実装しているものや、アイデアのある方はぜひ教えてください。


2013年12月9日月曜日

OpenStack Tips with Emacs


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OpenStack Advent Calendar 2013 JPネタ

OpenStackに関する作業をしているとReST APIを直接コールする事がよくあります。

ReSTを操作するにはたくさんのツールがありますが、一番イケてるのはEmacsから操作する方法です(妄想
ちなみにイケてない人は curl -X POST とかしたりします(大嘘


ということで、Emacs用のReSTクライアントを紹介します。
https://github.com/pashky/restclient.el


利用方法は簡単で、git clone して得られる el ファイルを load-path の通ったパスへ配置します。

その後は、
(require 'restclient)
と、ロードして、
M-x restclinet-mode
で restclinet-mode へ移行出来ます。


■使用方法
シンプルです。リクエストした内容をバッファに書いて、C-c C-c とするだけです。
使用感はこんな感じです。

■便利な設定
popwin.el と連携して出力結果ウインドを制御してやると使い勝手が向上します。

popwinの詳細はこちら。
http://aikotobaha.blogspot.jp/2013/04/popwinel.html

popwinの設定に以下を追加しておきます。
(push '("*HTTP Response*") popwin:special-display-config)


■mailcap-parse-mailcaps がねえよ的なエラー
使ってるEmacsのバージョンや、導入しているelファイルによっては、mailcap-parse-mailcaps に関するエラーが出ることがあります。
【参考】http://d.hatena.ne.jp/rubikitch/20080124/1201180306

エラー例
Symbol's function definition is void: mailcap-parse-mailcaps

ほとんどの場合はFLIMを使ってる場合に出ます。
flim の mailcap.el はもう使われていないので最新版に変更した上で削除するか、(require 'restclient) する直前に (load "c:/gnupack/app/emacs/emacs/lisp/gnus/mailcap.el") としてEmacsが標準で持っている mailcap.el をロードさせてやると回避できます。


2013年12月8日日曜日

書評:独習Linux専科(中井悦司 著)


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献本いただきました。ありがとうございます(下書きにしたまま公開を忘れてました、すみません。

「独習Linux専科」サーバ構築/運用/管理 ――あなたに伝えたい技と知恵と鉄則 (Software Design plus)



著者の中井さんは「10年シリーズ」「プロのためのLinuxシステム」の著者でもあり、こちらも大変有益な本です。

本書は前2シリーズに比べるとライトな内容に仕上がっています。これからLinuxを始めたい若手のエンジニアや、今までネットワーク中心やってきたエンジニア、もしくはアプリ開発を中心やってきたけど、これからLinuxを覚えたい、といった方々に向けて書かれている本です。原理原則を中心としてなぜ?なぜ?と解説している前2シリーズに比べると、実際の動作に着眼して操作と設定に基づく解説がなされているため、システムがイメージしやすく入門書としては最適かと思います。

本書を4章までを実際に操作しながら読み進めると、Linuxを使った基礎的なシステム構築できるようになれると思います。ここからさらなるスキルアップを目指したい方は「10年シリーズ」「プロのためのLinuxシステム」へとステップアップしていく事で、体系的にLinuxのについて学習していくことができる、といった具合です。

また本書で学習し、RedHat社が提供する認定プログラムの基礎コースであるRHSCや、LPICに挑戦するのも良い選択だと思います。

5章ではLinux/計算機の基礎的な動作原理にも触れており、文系の方でSEをやられている方にはこの章は良い参考資料です。

ぜひとも本書を入り口にして、Linuxシステムの世界へ入門してみてください。



【補足】
本書のおいて sl コマンドを「ジョークコマンド」として紹介していますが、実はどんでもない誤解(え!?)です。
稼働中の仮想環境をライブマイグレーション or ストレージマイグレーション するようなデモを実施する際にコンソールに sl コマンドをループで走らせておくと、「ほらオンラインで切り替わりますよね?」とドヤ顔するのに最適です。実に実用的なコマンドですね。

参考:「信頼と実績の sl コマンドでインパクトのあるデモシナリオを構築する @LightningX(嘘 」