2011年12月31日土曜日

2011年総括と2012年に向けて


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本当に今年はいろいろあった年でした。

個人的には、RHCA取得 → 転職 → 地震 → 無職 → 就職。

世間的には原発&電力問題&超円高と、政治的&経済的な不安定化。

まだまだ混迷の時代は続きそうです。

ITインフラ関連業界に関して、1年前に記載した「2011年に向けて」の通り、既存IT業界のコモディティ化と新規市場へのシフトの流れはますます進んでいます。

HWビジネスは淘汰の時代に移っており、パソコン、HDDがたどったように価格競争へとシフトしています。この領域で勝ち残るには圧倒的なスケールメリットを出すしかありません。国内市場しか持たない多くの日本のサーバメーカーは今後ソフトへの方今転換へと進むと考えられます。

合わせてHWを仕入れて売る事に重きを置くIT商社の価値は間違い無く低下します。

HWが薄利多売の家電と化しつつある今、将来に向けて自社がどういった戦略を取るか?これは重要なターニングポイントです。泥舟と共に沈むか、新たなる船で出航できるか、この業界に身を置く方は自社の戦略に注目しておいた方が良いでしょう。


暗い話ばかりではなく、国内外においてオープンソースの活用がかなり活発化しています。

デンソーなど4社が The Linux Foundation の新メンバーに
株式会社デンソーの情報安全事業グループ DP-Smart HMI室 室長の田中裕章氏は、次のように述べています。
「自動車分野では、大きな技術革命が始まり、Linux が重要な役割を担いつつあります。デンソーは、カー コンピューティングの基盤である OS を長期的に最大限に利用するために、Linux プラットフォームに投資しており、自動車業界における Linux の将来に大いに期待しています。」

「自動車産業をオープン化する」、トヨタやBMWがAutomotive Linux Summitで講演
トヨタがLinuxの採用を検討する理由のひとつは、自動車産業を横断する協業による開発だ。自動車であれば必ず要求される機能は、企業を超えた共同開発によりコストを削減し、品質を高める。そのためにはオープンなプラットフォームである必要がある。

大和ネクスト銀行が開業、国内で初めて勘定系にLinuxを採用
中核の勘定系システムにライセンスコストのかからないLinuxと安価なx86サーバーを採用し、提供業務を絞ることでシステムへの投資額を80億円以下(本誌推定)に抑えた。銀行の勘定系システムは一般的に、メインフレームで構築する場合で200億円程度、オープンシステムだと100億円程度かかる。

(中略)

実績の少なさや信頼性の低さを理由に、国内の銀行はこれまで勘定系システムにLinuxを採用してこなかった。大和ネクスト銀行が勘定系システムを稼働させたことで、勘定系システムにLinuxを採用する動きが広がる可能性がある。


上記以外にもクラウド領域のサービス分野では活発にOSSの利用が行われていますし、公共機関のみならず企業内システムのOSS置き換えも非常に増えてきています。

彼らがをOSS採用する最大のメリットは「技術さえあれば自分でコントロールできる」ことに尽きます。

利用者はソフトメーカーやSIerの都合に振り回されない自由な利用と開発ができるため、結果として大幅なトータルコストの削減が可能だと言う事に気付き始めています。

また今後さらなる参入者の増加が見込める大規模なITサービス系の分野では企業をターゲットにした価格帯の商用製品の組合せではコスト的に採算がとれず、OSSを使った開発はさらに増えます。


既存のインフラ市場は確かに縮小しますが、形を変えて新たな市場として確実に拡大していきます。勉強を怠らず自分の出来ることを着実に増やしていける人に取っては活躍の場は増えていくでしょう。

今後OSSにおけるMW~OS~HWを一貫して考慮できるITインフラエンジニアの重要性は増していきます。逆にHWだけ、OSだけ、特定のMWだけ、しかも技術もサポートも他社依存と言った従来のSIerにおける役割分担でしか通用しないスキルの価値は下がって行きます。

会社が窮地に陥った時に組織は個人を救いません。必ず切り捨てます。自分を救うのは自分の能力だけです。市場の動向を見据え自分の武器を絶え間なく鍛える事こそ既存領域にいるインフラエンジニアが生き残る唯一の方法です。

私自身も2012年はさらなる飛躍を目指し精進してまいります。


最後になりますが。当Blogもいつの間にか30,000PV/月となりました。来年も皆様の役に立てる情報が発信出来ればと考えておりますので今後ともよろしくお願い致します。



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